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シブプロ準備室

14.09.07

【志応援團インタビュー記事】No.3 鷲尾 和彦さん

こんにちは★志応援團です!
今回写真家からはこの方!!
【NO.3】 鷲尾 和彦 さん
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What is Kazuhiko Washio like?
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今回、インタビューさせて頂いたのは写真家の鷲尾和彦さんです。鷲尾さんが一貫して言って
いたことは「謎を解くように写真を撮る」ということ。
鷲尾さんの写真に対する思いを写真集「極東ホテル」等を例にあげて詳しくお聞きしました。
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POINT NO.1
写真を本格的に撮りだしたのは28歳
ーー 鷲尾さんが写真を撮り始めたキッカケを教えてください。
鷲尾 直接的なキッカケは、ある写真家との出会いです。それが28歳のとき。
   それまではカメラは持ったこともありませんでした。 

ーー 遅い方なんですね。
鷲尾 きっと遅い方でしょうね。写真家やデザイナーを目指す人って、
   10代や20代前半に始めたって人が多いのかな。
   それまではずっと音楽をやってました。

ーー 28歳の時に何か変化があったんですか?
鷲尾 人との出会いがきっかけでしたが、よくよく後から考えると、
   音楽をやっていたころから写真や映像にはどこかで惹かれていたのかもしれません。
   でも、自分でカメラを買って、写真を撮ろうとか、作品を撮ろうという意識は
   全くなかったですね。

ーー では、どうして写真を撮ろうと思ったんですか?
鷲尾 うまれて初めて写真家って人に出会って、僕とは全く違う物事の見方や
   世界の眺め方があるんだって気づいたんですよね。
   そして、「写真」というものに人生を賭けていると語るその人の姿を見て、
   そこまで人を動かす「写真」ってなんなんだ?って知りたくなった。
   その謎が知りたいと思って、カメラを買ってみたんです。

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ーー 実は、前述のお話を聞く前までは、広告会社のクリエイティブプロデューサーとして
   働いている事がきっかけで写真家になったのかと思っていました。
   広告の仕事と写真がすごく近いイメージがありましたので。
鷲尾 全然関係ないですね(笑)。近いように思われるかもしれないけど、
   むしろ似て非なるものかもしれないですね。その両方の振れ幅を知っていることが、
   自分の作品を創ることに活きているとは思うけれど。

ーー 広告会社のお仕事と写真家としてのお仕事の両立は大変ですか?
鷲尾 作品を作るペースはもしかすると遅いかもしれないですね。
   でも、商業カメラマンだからといって、いつも作品撮っているわけでもないと思うし。
   それに僕の場合、コンセプトや仕上がりを決めてそれに向かって作品を具現化できる
   というよりも、どんどん動いて偶然の出会いや幸運に身をゆだねながら、
   時間をかけて見えてくるもの抽出するという方法を、これまでは意識して心がけてきたので、
   そもそも時間がかかるやり方んですよね。急がない、というか。

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POINT NO.2
繕わずに自然に撮ろうとする写真
ーー 鷲尾さんの写真集「極東ホテル」はなぜこのホテルを撮影の舞台にされたんですか?
鷲尾 僕が撮りだしたのは今から8年くらい前になると思います。
   今でこそ外国人旅行者向けの安い宿泊施設は増えていますが、
   当時はさほど多くはありませんでした。はじめてこのホテルのロビーに足を踏み入れた時、
   「ここは世界の中心だ」って思ったんです。
   それまでは、都市と地方、日本と海外の境界とか、そういう場所にひかれて撮影していたんですが、
   こんな身近な場所に世界の結節点みたいな場所があるってことに驚いた。
   ここは僕がずっと探していた場所なんだって。

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「極東ホテル」a man from Belgium 2005.7.8
ーー どんな気持ちで撮影されましたか?
鷲尾 写真集のあとがきにも書いたけれど、ポートレートを撮ってるのときの気持ちというのは、
   「愛しい」という気持ちが一番つよかったと思います。

ーー どんなところが愛おしいのですか?
鷲尾 僕の目の前に遠い国からやってきた見知らぬ旅行者がいる。
   別にあれこれ長話をするわけではないし、本当にすれ違いざまの瞬間しか共有していない。
   だから本当は遠い存在のはずなんだけど、なぜか近く感じてしまう瞬間があるんですよね。
   ふとした表情とかに。国籍とか職業とか別にどうでもよく思ってしまう瞬間がある。
   「僕もこんな顔をして旅行しているんだろうな」とかね。よくよく考えると、
   こうして対面していることがすごい奇跡的なことなわけだし。
   よくまあわざわざ極東の島国までよく来てくれたなあ、とかね。
   そういういろんな気持ちが合わさって、一言でいうと「愛しい」ってことになるのかな。
   そういう時に、シャッターを押してます。

ーー 一般の方相手の撮影は大変そうですね。
鷲尾 確かに友人とか知人ってわけじゃないし、一人一人にまず自己紹介から始まって、
   ちゃんと趣旨を説明して、撮影許可を貰うわけだから。
   でもそういうことは普通というか、大変だと思ったことはないですね。

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作品集「極東ホテル」
ーー どうやって撮影されましたか?
鷲尾 例えば、新聞読んでいたら「そのまま新聞読んでいてください」って。
   髪の毛乾かしていたら、そこを撮る。ただそれだけ。

ーー 繕うより自然に撮るような感じですね。
鷲尾 そうですね。でも趣旨を説明して許可をもらってから撮っているし、隠し撮りでもないので、
   全くの自然というわけではないですね。状況をつくって撮っているともいえます。

ーー 極東ホテルのなかでも、特に思い入れのある作品はありますか?
鷲尾 全部と言えば全部なんだけど、緑のタオルを巻いたフランス人の女の子の写真は
   自分でも気に入ってます。彼女は当時14歳。お父さんと2人でパリからきていて、
   朝シャワー室から出てきたところですれ違って、ターバンみたいにタオルを巻いてる姿が
   いいなあって思って撮らせてもらいました。朝日がタオルに反射して、
   部屋の壁が緑色に染まっているんですよね。14歳って大人でも子供でもない。
   未来も不安もどっちもある。まさに旅の中。それがいいなあって思って。

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「極東ホテル」Zélie from Paris, France 2008.8.5
ーー 素敵な雰囲気の写真ですね。
鷲尾 今もFacebookで繋がっているんですよね。
   彼女自身ももう大学生で、今はアーティストを目指して頑張っているようです。
   いつのまにか大人の女性になっている姿をたまに見て、
   ああ彼女も彼女でいろんな旅をしてきてるんだろうなって、想像したりして。
   そういうことも「愛しい」に繋がるのかなと思うんですね。

ーー 最後の成田空港の写真はなぜ載せたんですか?
鷲尾 これはね、極東ホテルで出会った旅行者を、たまたま成田空港で見かけたんですよね。
   ロンドン行きの出発ターミナルに着くと、同じ飛行機に乗ろうとしていた。
   彼女は気づいてないんだけど。旅の終わりかもしれないし、新しい旅の始まりかもしれない。
   次の目的地に向かうトランジットかもしれない。旅も写真もきっと終わりがないんです。
   終わりだって思っても、それはまた新しい始まりかもしれない。
   そんなことを思って、最後にこの写真を入れました。

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「極東ホテル」Narita Airport Terminal2 2005.9.25
POINT NO.3
写真家になるまで考え続けることが大切
ーー 夢に向かって頑張っている方へメッセージをお願いします。
鷲尾 続けていくことかな、やっぱり。
   「写真家」といっても、その有り様なんて人それぞれだし、人それぞれだからこそ
   価値があると思うし。世界って多様だからこそ豊かなんだと僕は思うんですね。
   だから、もし写真家になりたいのなら、自分の中にあるイメージに向かって
   ちょっとずつちょっとずつ近づいて行こうとするしかない。
   ある日突然写真家になるんじゃなくて、毎日ちょっとずつ写真家になっていくんだと思うんです。

ーー 今は皆写真を簡単に撮れる時代ですからね。
鷲尾 携帯でも、iPhoneでも、写真を撮るのは誰でも出来ることでしょ。
   だから撮る人=写真家って言えば、みんな写真家ですね。写真家だらけですね(笑)。

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ーー 鷲尾さんのなかで写真家とはなんですか。
鷲尾 撮ることよりも、その写真を見た人に手渡せるものが何か、
   それがどんなクオリティなのか。それがどんな感触、どんな感覚なのか。
   そこにどんな時間や想像力が芽生えるのか、そんなことが、これまで以上に
   とても大切になってくるんだろうなって思います。そのことに意識的でありたいと
   個人的には思います。もちろん答えは一つではないし、多様な方がいい。
   そのことに向き合っている限り、僕もみなさんも全く同じところに
   立っているんだと思っています。

Washio Kazuhiko’s MEMO
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数々の洗練された写真を撮影する写真かはどんなことに興味があるんだろう。
やっぱり人とは少し違うのかな?でも、自分と似たような部分がちょっとあったりして。
鷲尾 和彦さんについてどんなことに興味があるか検証しちゃいます。
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[プロフィール]
Washio Kazuhiko
1967年兵庫県生まれ。1997年に独学で写真を始める。2009年、写真集『極東ホテル』
(赤々舎)を出版。2011年、作家・詩人の池澤夏樹氏とともに東日本大震災発生直後か
ら被災地をフィールドワークし、書籍『春を恨んだりはしない』(中央公論新社)と
写真集『遠い水平線 On The Horizon』(私家版)とを刊行。今年2014年には日本全国
の海岸線の風景を約15年間に渡り撮影したシリーズ「To The Sea』を赤々舎より刊行予定。
2001年、清里フォトアートミュージアム主催「ヤングポートフォリオ」入選。
2006年、ガーディアン・ガーデン主催「フォトドキュメンタリーNIPPON」入選。

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執筆 : シブヤプロダクツ科スタッフ
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