【野口朝夫校長・特別レポート】インテリアデザイン科フィールドワーク授業 江⼾東京たてもの園
2019/11/12
秋になり、フィールドワークの授業で小金井にある江戸東京たてもの園に見学に行きました。近代の日本の住空間がどのように変化してきたのかを学ぶためです。 今年は少し雨降りの天気でしたが、学生は閉館時間まで興味深く園内をめぐりました。
先ず訪れた田の字型プランの綱島家。土壁が美しい江戸時代の農家です。土間、板の間、タタミの間と続く空間を知り、太い柱、梁が掛けられた空間のもつ重みを実感しました。皆、普段はほとんど見ない土壁の美しさに見入っていました。
戦後直ぐ建てられた瓦葺きの大邸宅、三井八郎右衞門邸。1階には応接間などが連なっていますが、よく見ると畳敷きの床の上にジュータンを敷き、家具が置いてあります。床の間もあり、本来は日本間としてデザインされたものが、時代の変化の中、洋室的な使い方になってきたことが分かりました。
1階にあるお茶室。庭の緑との繋がりが大切にされていることを実感。ほとんどの学生にとって茶室を見るのは初めての経験でした。
戦後の建築デザイン史に大きな足跡を残した前川國男の自邸。小雨にしっとりと落ち着いたたたずまいは、他の建物との違いをはっきり見せています。室内は天井が高く、和のテイストを残しながらモダンなインテリアに。75年も前に建てられたものとは思えない新鮮さに、みな興味津々でした。
高橋是清邸で床の間と畳との関係などを学んだ頃には、 雨が強くなり暗くなっても来たことから、急ぎ皆で昭和初期に建てられた子宝湯で記念撮影。
広い公園のため、今年も最後はどうしても駆け足見学となってしまい残念。でもほとんどの学生にとって、日本的な空間構成の特徴を知る、良い機会でした。
このフィールドワーク授業を 11月17日の体験授業でも体験できます。
秋の代官山周辺をめぐる予定です。関心のある方はぜひ参加してください。