インテリアデザイン科は、目白にある「自由学園明日館」と「東京カテドラル聖マリア大聖堂」の見学に行ってきました。自由学園は1921年に羽仁もと子・吉一夫妻が設立した女学校の校舎で、フランク・ロイド・ライトと弟子の遠藤新により設計されました。豪華な建築ではありませんが、ライトならではの美しい建築を見ることが出来て居心地の良い空間です。
使いながら保存する「動態保存」のモデルケースになっている需要文化財として、一般の人にも広く活用されています。この日も、撮影や和菓子教室、豊島区教育委員会のイベントなどが行われていました。明日館の担当者の方から、天井から下がっている照明は、ライトが一晩でデザインした物であることなど自由学園の教育に対する考え方と空間の関係についても解説していただきました。学生が熱心に担当者の方の話を聞いていたのが印象的でした。その後に訪れた東京カテドラル聖マリア大聖堂は、1964年の東京オリンピック開催年に竣工した建物で、「岩場の水面に舞い降りて来た銀色の白鳥が羽を震わせているかのよう」と称された丹下健三の作品です。上空から見ると、十字架の形になっている事でも有名です。HPシェルと呼ばれる双曲放物面を作り出しているステンレス板が、太陽光を反射していている様子から神々しさや、圧倒的な存在感と美しさを感じることが出来ました。内部は、吹き抜けでコンクリート打ちっ放しの力強い大空間が荘厳な雰囲気を作り出していました。建築そのものでカトリック教会の精神性を表現している名建築に、学生も圧倒されている様子でした。帰りに立ち寄った椿山荘の日本庭園では、伊藤若冲の下絵による羅漢石などを眺めながら散策をしました。散策の途中で思いがけず雲海の中へ入ることができ、山奥へ行ったような写真が撮れました。