フィールドワークの授業として1年生2年生合同で、20世紀建築家3大巨匠の一人である、フランク･ロイド･ライトが日本で設計した数少ない建物自由学園「明日館」を見学しました。
寒い日でしたが、空は抜けるような青空。
明日館は、池袋の街並みを背景に、ホールを中心に両翼を伸ばすように建っています。
100年前、ライトが設計した頃は、多分この辺りも田舎で、ライトの好みのアメリカの草原にしっかりと根付いた建物のイメージがあった違いありません。
授業ですでにライトのことを学んでいた学生達も、名作を実際に見ることができる期待で、高揚しています。
まず中庭から正面の姿。そして、柱の陰が美しい外廊下を通って建物へ。教室として使われていた部屋。当時の床材のまま。
100年の歴史を学生達も実感していました。ちょっとユーモラスなライトオリジナルの椅子（復元）中心に位置するホールには、ライトの特徴である菱形の格子がデザインされた大窓が光を取り入れています。当時の生徒が、冬場には暖をとったとても大きな暖炉。
壁の大谷石が柔らかい雰囲気を生んでいることも気付きました。学生達も、高い天井ながらみなを包み込むような、近代空間とは異なる、柔らかい空間に興味津々です。2階の食堂。
当時の生徒は皆揃ってお昼ご飯をここで食べたということです。最後に自由学園のことや建物の由来を担当の方から伺って、見学を終了しました。
なんと言っても、大きな建物ながら、ヒューマンスケールをもち、人を包み込んでくれる優しさを実感できたことは、これからの自分のデザインに生かされることでしょう。校舎の外に出ると、池袋の近代デザインビルが対比のように立っていました。
でも明日館の存在感は決して負けていません。

自然風土や歴史を学ぶことで、今のデザインを考えるフィールドワークの授業。
2年間でたくさんの空間に出会うことが出来ました。