毎週実施している特別講義、今回のゲストはグラフィックデザイナーの伊野耕一さん、聞き手は、菅沼比呂志先生です。

伊野先生は、本校を卒業し、幅広く活躍されているデザイナーです。
特に写真集のデザインを多く手掛け、著名な写真作家の写真集の作成にも携わっています。

「大切なのは、ただ作るだけでなく、自分がどうしたいかを考えることが大事なんです。」
この言葉を皮切りに、仕事の流れと、こだわりをお話しいただきました。
作家と構成に関する打ち合わせ、表紙のデザイン、本の背や糸の色、紙の指定、サイズ、ページ数、色数など、多岐にわたる工程を経て、完成イメージを伝えます。

また、デザイン案を数種類出して、色々な見え方を検証しているそうです。
実際にデザインを手がけた、姉妹校の卒業生である梁 丞佑さんの写真集を参考に、一部ではありますがデザイン案を見せて頂きました。
文字の組み方で印象が大きく変わるので、色々な可能性を探りながら、自分で検証し、自信を持って見せることができるよう、セレクトする力も大事になるそうです。

学生からは、
「写真集が好きだから大変だけど続けているとお話しいただき、自分の仕事への愛や情熱を感じました。」
「実際に現場に見に行くなど、様々な人と関わることが大切。デザインも大切だけど、コミュニケーション能力を磨くことも大切だと学ぶことができました。」
といった感想が寄せられました。

最後に、学生へメッセージを頂戴しました。
「学校を卒業して、自分の作りたいもの、やりたいことがすぐにはできないかもしれないけど腐らない。やりたい仕事が来た時の準備をすることが大切です。」

卒業生からのお話しは、今後自分たちが活躍するイメージを持つことができたのではないでしょうか。